2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540180
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
井上 順子 鳥取大学, 大学教育支援機構, 准教授 (40243886)
|
Keywords | 非可換調和解析 / フーリエ変換 / L^pフーリエ変換 / ユニタリ表現 / Hausdorff-Young不等式 / コンパクト拡大 / 可解リー群 |
Research Abstract |
1.リー群上の非可換L^pフーリエ変換(1<p<2)の挙動の解析については,昨年度に引き続き,スファックス大学(チュニジア)のBaklouti教授と共同で,変換の作用素ノルムを求める問題を中心において研究を進めた。ユークリッド運動群上の非可換フーリエ変換に対して,Hausdorff-Young型不等式を精密化した昨年度の研究成果のまとめと仕上げを行い,ノルム計算の過程を点検・整理し,対象とする群を可換群R^nのコンパクト拡大,即ち,R^nとコンパクト群の半直積群に広げて,発表を行った。具体的には,R^nとコンパクト群の半直積群におけるL^pフーリエ変換のノルムは,R^nにおける通常のL^pフーリエ変換のノルムに等しく,特に,R^n上のGaussian関数を群全体に拡張することにより,極値関数が得られる,という結果である。従来このような半直積群に対しては,pの共役指数が偶数の場合に,変換のノルムの上からの評価が,半直積を構成する因子におけるL^pフーリエ変換のノルムを用いて得られることが知られていた。これに対して,本研究結果は1<p<2の範囲にあるすべてのpに対するものであり,また,上からの評価値でなくノルムの正確な値が求められているという二点に意義がある。 2.指数型可解リー群のC^*環の表現の解析については,ロレーヌ大学(フランス)の当該分野の研究者の協力を得て,低次元の群の具体的な例を対象に,余随伴軌道を通してユニタリ双対とフーリエ変換を調べる計算を再点検し,フーリエ変換像の決定のため今後必要となる情報や解析手法の検討を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
L^pフーリエ変換の解析に関しては,「研究実績の概要」に書いたように,着実に成果が得られ,順調に進展している。しかし一方,C^*環の表現の解析については,フーリエ変換像の決定に必要な計算が,当初の予想よりも複雑であることが判明しつつあり,時間がかかっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究活動に引き続き,可解リー群上の非可換フーリエ解析において現在活発に研究を行っている研究者と議論する機会をつくり,必要に応じて共同研究の形をとって研究を遂行する。また,調和解析・表現論の研究上必要な,解析的・代数的手法に関連する理論,等質空間の幾何学に関する理論などを中心に,研究集会,セミナー等で情報を収集する。
|
Research Products
(4 results)