2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540189
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 智成 九州工業大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (00303173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 幹雄 九州工業大学, 大学院・工学研究院, 教授 (50090551)
吉川 美佐子 埼玉大学, 理工学研究科, 非常勤講師 (20444052)
仙葉 隆 九州工業大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30196985)
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Keywords | 不動点 / 非拡大写像 / 非拡大半群 / 縮小写像 / Kannan写像 / τ-distance / 回帰性 / Banach空間の幾何学 |
Research Abstract |
この補助金のおかげで、多くの研究成果を得ることができた。以下では、項目11の雑誌論文リストで挙げた論文のうち、いくつかの論文の概要について述べる。 1:uniformly asymptotically regularという条件を満たす非拡大半群の共通不動点へのBrowder型の収束定理を証明している。特に、収束するための係数に関する必要十分条件を得ることができた。空間の設定はHilbert空間である。 2:Kannan型の不動点定理の改良をした。また、この論文での改良方法と同じ方法では、これ以上改良できないことも示した。 3:Banachの縮小原理の結論である「successive approximationが唯一の不動点へ収束する」という条件の必要十分条件をτ距離を用いて与えた。昨年度得られた条件よりも若干シンプルな必要十分条件である。 5:強Ekelandの変分原理の結論部分について調べた。空間の線形性と、関数の凸性を仮定したバージョンにおいては、この結論部分と空間の回帰性が同値になることを得た。空間の線形性および関数の凸性を仮定しないバージョンにおいては、この結論部分がbounded compactnessと同値になることを得た。また、コンパクト性と同値になる条件も得ている。 6:JungckによるBanachの縮小原理の拡張定理は、その後実に多くの再拡張定理が証明されてきた。条件は似たり寄ったりなのだが、最弱と呼べるような条件がなく、非常に混乱していた。この論文では見通しのよい最弱条件を与え、この混乱を収束させた。 9:Reichの問題の1つであるHalpern収束の係数問題に関する研究をした。収束するための必要条件・十分条件についてこれまでの結果をまとめた。現時点での最弱な十分条件を提供しているWittmann(1992)の収束定理の分かりやすい別証明を与えた。この問題の完全解決への一助になると期待している。
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Research Products
(16 results)