2011 Fiscal Year Annual Research Report
複数の場の相互作用を記述する非線形偏微分方程式の数学解析
Project/Area Number |
21540190
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
和田 健志 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (70294139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 誠 東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (70312634)
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Keywords | 函数方程式論 / 非線形偏微分方程式 / 非線形Schrodinger方程式 / 分散型方程式 / 適切性 |
Research Abstract |
本年度も引き続き非線形Schrodinger方程式の適切性について研究した.非線形Schrodinger方程式の適切性については過去30年あまりの間に数多くの研究がなされており,ほぼ完全に解決されたと考えられていた.しかしながら,既存の研究を詳しく追ってみると,非線形項がもっとも基本的な冪乗型の場合にも未解決の場合があることが分かった. 非線形項がゲージ不変な冪乗型の場合,その冪pが寄数(の自然数)でなければ非線形項は原点付近でp回以上微分することはできない.そのために解の滑らかさが制限され,初期条件と同じ滑らかさを持つ解が得られるとは限らない.初期条件と同じ滑らかさを持つ解が存在するようなpの下限は初期条件の滑らかさsの関数となるが,既に得られているpの下からの評価は不自然であり,最良とは思われなかった.筆者はH.Pecher, Ann.Inst.H.Poincare Phys.Ther.67 (1997), 259-296により導入された分数次の時間微分に関するStrichartz型評価を組織的に用いることにより,pに対するほぼ最良と思われる仮定の下で(初期条件と同じ滑らかさを持つ)解の一意存在を証明した. また,初期データに対する解の連続的依存性も,応用上重要な養成であるが,同様の上事情により,解の属する空間の位相を弱めた形でしか証明されていないケースが多かった.この問題についてもほぼ完全な解答を与えることができた.同様の方法は,他の非線形分散型波動方程式にも適用可能であると期待される.
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Research Products
(5 results)