2010 Fiscal Year Annual Research Report
| Project/Area Number |
21540198
|
|---|
| Research Institution | Tokai University |
|---|
Principal Investigator |
松山 登喜夫 東海大学, 理学部, 教授 (70249712)
|
|---|
| Keywords | Kirchhoff方程式 / 外部問題 / 分散型評価 / 散乱問題 |
|---|
| Research Abstract |
本研究の目的はKirchhoff方程式の散乱問題,特に非線型散乱を考えるこである.そのために線形双曲型偏微分方程式の散逸評価を導出し,これらをもとにKirchhoff方程式の散逸評価を得ることが重要な問題となる.時間に依存する係数をもつ線形双曲型偏微分方程式とKirchhoff方程式の解の表現公式を幾何光学的方法で作ることを目標とし,周波数解析を行うことにより散逸評価が得られる.昨年度は解の表現公式をasymptotic integrationにより得ているが,初期値の微分の損失が生じている.これを克服するため幾何光学の手法を取り入れ解析しやすい解の表現公式を導出したいのであるが,現段階で難所にさしかかっており,来年度引き続き研究を推進する予定である.
今年度得られた主な成果は,外部領域におけるKirchhoff方程式の時間大域解を証明したことである.この結果は日本数学会誌から出版された.この結果を得るにあたり一般化されたフーリエ変換を用い,低周波領域でのレゾルベントの漸近展開を得たことが議論の鍵となっている.この結果で考えらている諸吉のクラスをより一般に拡張した結果がTrieste大学のRend Istit.Mat.から出版された.
|
