2011 Fiscal Year Annual Research Report
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21540206
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
津田谷 公利 弘前大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60250411)
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Keywords | 波動方程式 / ディラック方程式 / ハートリータイプ / 散乱問題 / 時間大域解 / 漸近挙動 |
Research Abstract |
ハートリー型のディラック方程式,波動方程式および半相対論的ハートリー方程式について時間大域解存在・散乱問題・解の爆発に関する研究を行った. 1.ディラック方程式・半相対論的ハートリー方程式について: 前年度学術雑誌に投稿した論文が返されてきたため,計画を変更して論文の修正に時間をかけた.この研究成果は連携研究者の中村誠氏との共同研究によるものであり,一般化されたハートリー型のディラック方程式について散乱作用素が存在するためのポテンシャルの幕条件を従来の結果より弱めることができたのである.証明としては2つのタイプの時空評価式を使う.これとは異なる方法としてある減衰評価を用いた場合の研究結果も得られていた.さらに半相対論的ハートリー方程式についても既知の結果における冪条件のギャップを埋めることができていた.当初は別々の論文に分ける予定であったが,これらの結果をすべていっしょにまとめて1つの論文にし,別の雑誌に投稿して掲載された. 2.ハートリー型波動方程式について: 空間3次元における通常のハートリー型に関して,ポテンシャルの幕が臨界値のときの時間大域解存在証明に誤りがあったため,計画を変更して評価式からやり直し証明を修正した.さらにこの結果を散乱作用素の存在まで拡張させることができ,論文にまとめた.これらの結果は初期値が無限遠方で速く減衰する場合である.そこで遅く減衰する場合についても考察し部分的な結果を示した.散乱作用素の存在条件が最良であるかどうかを確かめるために,解の爆発についての研究も行い,その条件を調べた.結果として散乱作用素の存在条件が概ね最良であることが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ディラック方程式の論文修正,空間3次元における波動方程式についても散乱作用素の存在証明の修正に時間を取られてしまったことによる.
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Strategy for Future Research Activity |
空間3次元におけるハートリータイプの波動方程式に関しては予想とは違い条件によって様々な結果が得られそうである。研究を推し進めるために連携研究者との研究打ち合わせをより多くする.研究が進展しない場合は対応策として,外国出張して当該分野の研究者と意見交換,討論を行う.
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