2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540206
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
津田谷 公利 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (60250411)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 波動方程式 / ハートリー型 / 散乱問題 / 時間大域解 / 漸近挙動 / 重み付き関数 |
Research Abstract |
前年度学術雑誌に投稿した2つの論文は2013年度に掲載された.どちらも空間3次元におけるハートリー型波動方程式で初期値が無限遠方で速く減衰する場合を扱い,1つは合成積評価について,もう1つは散乱作用素の存在についての研究結果である. 2013年度の前半,初期値が無限遠方で遅く減衰する場合の結果をまとめた論文を学術雑誌に投稿しようとしていたが,散乱作用素の存在証明で不備が見つかった.非線型項が空間二乗可積分にならない場合があるのだ.時間大域解の存在は問題ないのだが,自由解に漸近することまでは完全に示せていないことになる.この場合では時間大域解が漸近自由にならないことを予想して計算を試みたが成功しなかった.そこで,散乱作用素の存在を示す当初の方向に戻り,完全解決に向けて方法を探った. 年度終盤になって,これまでになかった重み付き関数を思いついた.この重み付き関数を用いて計算すると時間大域解の存在は勿論のこと,解が漸近自由になることを証明することができた. ハートリー型の方程式に対して重み付き関数を用いる方法では冪乗型と異なり,合成積をまず評価しなければならない.その際,冪乗型では見られないような評価式が現れる.このような評価式が出てくる場合,従来用いられてきた重み付き関数は必ずしも機能しない.今回発見した重み付き関数はその欠点を補ってくれる.ポテンシャルの減衰が遅いときでも,あるいは空間2次元の場合でも適用できる可能性は大きい.ハートリー型のような非局所項をもった波動方程式ではこの新しい重み付き関数による手法が有効であると期待される. このようにして得られた,初期値が無限遠方で遅く減衰する場合の散乱作用素の存在および非存在についての研究成果を2014年日本数学会年会の一般講演で発表した.
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)