2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540207
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
浦川 肇 東北大学, 国際教育院, 教授 (50022679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一山 稔之 亜細亜大学, 経済学部, 教授 (70213014)
伊藤 仁一 熊本大学, 教育学部, 教授 (20193493)
尾畑 伸明 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (10169360)
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Keywords | 一般化B.Y. Chen予想 / 調和写像 / 2-調和写像 / 非正曲率多様体 / バブリング理論 / mエネルギー / ラグランジアン部分多様体 / 複素射影空間 |
Research Abstract |
エネルギー汎関数の臨界写像である調和写像を深化させ一般化して、その自然な拡張である2-エネルギー汎関数の臨界写像である2-調和写像は、調和写像と類似の性質を多く持つと期待されている。我々はこの問題について、次の研究成果を得た。 (1)「非正曲率リーマン多様体への2-調和な等長挿入は調和写像、すなわち極小挿入に限るであろう」という予想は、「一般化 B.Y.Chen予想」と呼ばれている。我々は「この予想は余次元1の場合には自乗可積分条件の下では正しく、しかもリッチ曲率の条件のみで正しい」ことを示した。この結果はAnn. Global Analysis Geometryに掲載された。さらに、非正曲率リーマン多様体への2-調和挿入が自乗可積分条件の下でも「一般化 B.Y.Chen予想」が正しいことを示し、Results in Math.に掲載受理された。さらに、等長挿入だけではなく2-調和写像についても類似の結果を得た。これは現在、投稿中である。 (2)次に、調稲写像理論において、1980年代、重要な理論であった「mエネルギー有限な調和写像の族のバブリング理論」を2-調和写像の場合に拡張することに成功した。この結果は論文にまとめ、投稿中である。 (3)2-調和写像理論が豊富な内容を持つものであることを示すために、ケーラー多様体内のラグランジアン部分多様体と呼ばれる対象について、我々はそれらが2-調和写像となる必要十分条件を示し、特に、複素射影空間の場合に、そのラグランジアン部分多様体で、等質ではないが2-調和となる例を得ることができた。さらに、このような例がどのような特徴を持つものであるか、特徴付け定理を得た。これらの成果は、現在、論文にまとめているところであり、まとまり次第、投稿の予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
山口大学理工学研究科の中内伸光氏という共同研究者を得て、問題を説明したところ彼の専門領域にぴたりとはまり、問題解明が一気に進展した。また、情報科学研究科の大学院生である前田瞬氏に我々の問題を説明し、研究のテーマを解説したところ、その問題がうまく彼の研究テーマに合致し、当方の成果を彼の研究中のテーマとして展開できることが分かり、問題解明が急速に進展したことなどによる。
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Strategy for Future Research Activity |
共同研究者の一山稔之氏と、アインシュタイン・ワイル接続に関する2-ヤングミルズ接続理論を構築する。同じく伊藤仁一氏とは引き続き幾何構造の組み合わせ論的な性質の研究を遂行する。同じく尾畑伸明氏とは離散的類比の展開を勧める。山口大学理工学研究科の中内伸光氏との共同研究は一段落したがさらに2-調和写像理論の新たな理論の拡張を追求する。さらに、情報科学研究科の大学院生とケーラー多様体内のラグランジュ部分多様体の包含写像が2-調和となる共同研究を集中的に行う。また、新たに我々の現在のテーマに派生して、複素リー群内の実型の包含写像がいつ調和写像となるか、という問題について、ルンド大学の研究者と共同研究を進める。
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Research Products
(8 results)