2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540213
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
吉田 裕亮 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 教授 (10220667)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 関数解析学 / 作用素環論 / 非可換確率論 / 量子変形分布 / 量子情報理論 |
Research Abstract |
本研究の目的は、非可換確率空間上での確率分布の変形を主とし、それら確率分布の量子変形と両立する確率分布に付随した不変量の量子変形の可能性を含めた調査研究を目的としている。 一昨年度から分布の量子変形と両立するエントロピーの変形に関する調査を開始している。平成25年度においては自由相対エントロピーおよび自由フィッシャー情報量等と関係の深い分布間距離のひとつである Wasserstein 距離の自由確率論での振舞いを、自由確率論における、すなわちランダム行列値の拡散過程の観点から調査研究を行った。当該調査研究では、確率分布の自由拡散過程の時間発展を考え、これらの量の時間微分の厳密な計算を行い、自由確率論における輸送コスト不等式および対数 Sobolev 不等式をこの微分公式に基づいた時間積分の手法による証明を与えることに成功した。本成果に関しては、平成25年7月にトロント大学(カナダ)Feilds 研究所における国際ワークショップで講演を行うと共に、同年8月の韓国の国立数理科学研究所における研究集会においても招待発表を行った。 また、さらに平成25年度には、成分間に相関のあるランダム行列のMarchenko-Pastur 型極限の固有値漸近分布に関する調査研究も行ない、特に行方向成分が移動平均時系列モデルで与えられるような場合に、その固有値漸近分布の性質を明らかにした。その結果、移動平均時系列の自己相関係数から作られる Toeplitz 行列の固有値漸近分布の自由複合 Poisson 分布で与えられることを明らかにした。この研究成果は学術雑誌に掲載されている。この成分間に相関のあるランダム行列に関連する研究は、行と列の双方向の相関に拡張し、現在も調査研究を継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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