2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540220
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
水町 徹 九州大学, 数理(科)学研究科(研究院), 准教授 (60315827)
|
Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 平面進行波 / KP方程式 / 安定性 |
Research Abstract |
昨年度に続きKP-II方程式のline soliton解の安定性を研究した。KP-II方程式は浅水波の運動を記述する空間1次元の微分方程式であるKdV方程式に波の進行方向の横方向への緩やかな変化を取り入れた空間2次元の非線形分散型方程式であり、line solitonはKdV方程式の1-soliton解を横方向に一様に拡張したKP-II方程式の解である。KdV方程式の解はソリトンの部分に比べて自由方程式の解に近い振る舞いをする波の進行速度が遅いため、指数的な重み付空間で線形化作用素のスペクトルを調べると指数安定であることが知られているが、KP-II方程式のline soliton解のまわりでの線形化作用素は、これらのスペクトルに加え原点に収束する連続スペクトルが現れることが昨年度の研究でわかった。この連続スペクトルは、line solitonの尾根に沿って横方向に一定の速度で伝播する波に対応する。KP-II方程式をこれらの連続スペクトルに対応した固有空間に射影し、line solitonの尾根のlocal speed を表すc(t,y)とlocal phase shiftを表すx(t,y)に関する空間1次元のdamped wave equationを導出される。ここで、yは横方向の空間変数である。本年度の研究では、これらの方程式を解析し、line solitonに擾乱を加えても、その尾根の高さと2次元平面での尾根の向きは、時間が十分たてばもとに戻ること、line solitonの尾根のphase shiftや高さの変化は有限な速度で伝播し、phase shiftにはjumpが生じることがわかった。このため、研究開始時の予想とは異なりline soliton解は、y方向について広義一様なノルムでは安定なものの、y方向に一様な位相では安定になりえないことが判明した。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(6 results)