2009 Fiscal Year Annual Research Report
相空間を通じてのパンルヴェ系およびガルニエ系の研究
Project/Area Number |
21540224
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
高野 恭一 Aoyama Gakuin University, 理工学部, 教授 (10011678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 哲 青山学院大学, 理工学部, 准教授 (00335457)
村田 実貴生 青山学院大学, 理工学部, 助教 (60447365)
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Keywords | 解析学 / 関数方程式論 / 関数論 / パンルヴェ系 / ガルニエ系 / 相空間 / 合流操作 / パンルヴェ性 |
Research Abstract |
1. 2変数ガルニエ系の相空間が、退化した場合も込めて、構成、記述されている。相空間は複素多時間空間上のファイバー空間で、各ファイバー(初期値空間)はシンプレクティック多様体である。研究代表者達は、合流ともいわれる退化操作を、初期値空間であるシンプレクティック多様体の変形として記述することを試み、いくつかの場合に成功した。個々の多様体は4次元複素アフィン空間に次元の低いアフイン空間が有限個張り付いているが、その記述を観ると、退化操作においていくつかの次元の低いアフィン空間の衝突が起こっているのだろうと推測される。その推測が正しいことを、いくつかの場合に、退化パラメータを変形パラメータとして、貼り合わせ函数を具体的に構成することによって示した。ここで重要なことは、変形過程において、ハミルトン函数が正準変数の多項式であることである。 2. 上記1の研究動機の一つに、パンルヴェ性が退化操作に対して保存されることを示すときの助けにしたいということがある。ガルニエ系に対しても通用する証明法を探す目的で、相空間の退化の記述を用いた証明を、パンルヴェ系について、試みた。変形パラメータは一変数であること、曲線にそっての解析接続を考えるという点で、ガルニエ系に対しても通用する方法を試みているが、異なる極曲線が共存し得ないということがまだ証明出来ないでいて、成功していない。これは次年度の最重要課題として残った。 3. 小規模な研究集会を持つ予定であったが、研究の実質的進展を重視して、若い研究者と計算しながら議論する機会を数回持つことに切り替えた。次年度には研究集会も開催したい。
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Research Products
(8 results)