2010 Fiscal Year Annual Research Report
相空間を通じてのパンルヴェ系およびガルニエ系の研究
Project/Area Number |
21540224
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
高野 恭一 青山学院大学, 理工学部, 教授 (10011678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 哲 青山学院大学, 理工学部, 准教授 (00335457)
村田 実貴生 青山学院大学, 理工学部, 助教 (60447365)
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Keywords | 解析学 / 関数方程式論 / 関数論 / パンルヴェ系 / ガルニエ系 / 相空間 / 合流操作 / パンルヴェ性 |
Research Abstract |
1.2次元Garnier系の相空間の退化操作の記述についての研究が進展した。昨年度までは、Garnier系としての退化操作が簡単なものに対して、目の子で相空間の退化記述を求めていたが、分割2111から分割311への退化は微分方程式の退化自身がやや複雑なため、これについての記述をえることが今年度の重要課題であった。この場合の試行錯誤により、おそらくすべての場合に通用すると期待される計算原理が得られた。それは退化操作において、衝突すると思われる2つの射影直線上のアフィン平面バンドルを同時に見ることの出来るアフィン座標系をどう構成するかという問題であるが、すでに求めてある座標系を、考えている因子を表す座標を用いて書いたときの極部分を正確に求めることによって得られた。こうして得られた座標系が正準座標系であり、Hamiltoniansがこの正準変数の多項式であることも結果として確かめられた。後者はとても手計算で確かめられる代物でなく、計算機の補助を必要とした。 2.1に述べたことを前提にして、退化操作が相空間の完備性を保存することの一般的証明を研究した。大分進展したが、最後の詰めにてこずっている。 3.q差分非線形系として最も一般的な楕円q差分系の特殊解をq超幾何関数を成分とする行列の行列式を用いて明示的に表す公式を求めた。この公式から、原理的には様々な極限操作で、他の多くの系に対する明示公式が得られると期待される。
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Research Products
(4 results)