2011 Fiscal Year Annual Research Report
相空間を通じてのパンルヴェ系およびガルニエ系の研究
Project/Area Number |
21540224
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
高野 恭一 青山学院大学, 理工学部, 教授 (10011678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 哲 青山学院大学, 理工学部, 准教授 (00335457)
村田 実貴生 青山学院大学, 理工学部, 助教 (60447365)
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Keywords | 解析学 / 関数方程式論 / 関数論 / パンルヴェ系 / ガルニエ系 / 相空間 / 合流操作 / パンルヴェ性 |
Research Abstract |
1.2変数ガルニエ系とは5の分割に対応した7つの2時間変数のハミルトン系のことを指す。各系それぞれに対して相空間(初期値空間を時間について束ねたもの)(と期待される)空間が構成されている。各相空間の初期値空間は複素4次元アフィン空間に複素射影直線上の複素アフィン平面バンドルがいくつか貼りついたものである。また、隣接する2つの分割に対応する系の間には一方から他方への合流操作といわれる退化操作があるが、前者と後者の貼りつくバンドルの個数は後者が前者より一つ少ないことが知られる。したがって、合流操作においては貼りついているバンドルの内の特定の2つが衝突しているのではないかと思われ、このことが明瞭に見られる相空間の合流の記述を得ることが問題となる。隣接する分割の組は9紐あるが、昨年までにその内の3組について良い記述を得ていた。今年はさらに4組についての良い記述を得た。多様体の局所座標による記述は無数にあるが、ここで良い記述というものは、合流操作の全過程でハミルトン函数が正準変数の多項式となるようなものという意味である。このことは次項と関係して重要である。 2.固定特異点以外の点における任意の有理型解芽が固定特異点を通らない任意の曲線に沿って有理型芽としてどこまでも解析接続されるという性質をパンルヴェ性という。非線形微分方程式では、パンルヴェ性が成り立つかどうかが極めて重要である。それに答える道として1項の合流、あるいはパンルヴェ系の合流などにおいてパンルヴェ性が保たれるかという問題がある。これについて集中的に研究した。ある程度のところまで進んだがまだ未完成である。 3.小規模の研究集会を予定していたが、集会は開かず、個別の共同研究を数回行った。
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Research Products
(4 results)