2011 Fiscal Year Annual Research Report
遅れを持つ積分・微分方程式とその離散化方程式の精度と安定性
Project/Area Number |
21540230
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
室谷 義昭 早稲田大学, 理工学術院, 名誉教授 (90063718)
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Keywords | 関数方程式の大域理論 / 数理モデル / 感染症モデル / 大域漸近安定性 / Lyapunov関数法 |
Research Abstract |
感染症モデルとその離散化方程式に対するパーマネンスや大域漸近安定性についての研究で、多くめ成果を得ることができた。特に、遅れ付きのSIRS感染症モデルに対し、部分的ではあるが,SIR感染症モデルを解決したMcCluskey論文の手法を拡張したLyapunov関数法で、免疫消失項が比較的小さい場合の感染症平衡点の大域漸近安定となる十分条件と、Xu and Ma論文の手法を改良した単調法により、この免疫消失項が大きい場合の感染症平衡点の大域漸近安定となる十分条件を大幅に改善することが出来、両者の条件を組み合わすことで、大域解析が未解決の免疫消失項の範囲を大幅に狭める事が出来た。また、遅れを持たない連続感染症モデルでは遅れを持つ場合に比べ、大域漸近安定となる条件が広がることを具体的に追及し、成果を挙げる事が出来た。更に、遅れがない連続感染症モデルの大域漸近安定性と対応する性質を持つ離散化モデルが後退オイラー法になることに気づき、遅れを持つ場合の連続感染症モデルの離散化はすでに発表済みであったので、遅れを持たない感染症モデルの場合の離散化と共に、2通りの離散化の方法を他に先駆けて発見する事が出来た。これにより、連続感染症モデルと対応する大域漸近安定を持つ、離散モデルとの関係が明確化できた。また、lytic and nonlyticモデルの大域漸近安定の完全解決、viral infectionモデルへの応用、groupSIS,SIRS感染症モデルなどの大域漸近安定など、現在、投稿中であり、更に、交通機関で移動中での感染症モデルやgroup間での移動による、感染症モデル等の大域漸近安定性について、現在論文作成中であり、引き続き、多くの研究成果を期待する事ができる。
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