2011 Fiscal Year Annual Research Report
完全楕円積分を含む超越方程式に帰着される微分方程式と大域的解構造
Project/Area Number |
21540232
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
四ツ谷 晶二 龍谷大学, 理工学部, 教授 (60128361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 善久 龍谷大学, 理工学部, 教授 (10192783)
松本 和一郎 龍谷大学, 理工学部, 教授 (40093314)
二宮 広和 明治大学, 理工学部, 教授 (90251610)
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Keywords | 非線形境界値問題 / 完全楕円積分 / 楕円関数 / 超越方程式 / 反応拡散方程式 / 線形化固有値問題 / Sturm-Liouville理論 / 非局所 |
Research Abstract |
四ツ谷は生産項をもつGierer-Meinhart方程式系の定常解の大域的分岐構造を明らかにするため,これまで解析不可能と思われていたすべての解が楕円関数を用いて表示できることを示した.この結果は,2010年にドイツ・ドレスデンで開催された第8回AIMS国際会議におけて発表したものをもとに詳しく具体的な計算を実行したものである. 研究課題の中心テーマのひとつであるcross-diffusion方程式については,最新の研究成果を華東師範大学PDEセンター(上海,中国)で開催された国際会議Workshop on Nonlinear Parabolic/Elliptic Equations with Emphasis on Mathematical Spatial Ecologyにおいて連続講演(90分×4回)を行った.この研究集会の前後にWei-Ming Ni教授(ミネソタ大学・華東師範大学),Yuan Lou教授(オハイオ州立大学)と共同研究を行い,高次元の場合も含めた定常解の安定性の問題に関する解決の端緒を得た. 二宮は3種よりなる反応拡散方程式系を2種よりなるcross-diffusion方程式で近似できることを明らかにした.これを用い,3種反応拡散方程式系の構造を2種cross-diffusion方程式の大域的構造を用いて解明する道がひらけた.反応拡散系に対しては,長年にわたる研究の結果,信頼のおける高速な数値計算法が多く知られているのでcross-diffusion方程式に対する高速な数値計算法になることが期待される. 森田は質量保存を満たす反応拡散方程式の非定数定常解の安定性と分岐現象について詳しく調べている.これは将来cross-diffusion方程式の定常解の講造・安定性の解明と密接な関連をもつことが期待される.また,松本は双曲型偏微分方程式への応用について検討した.
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