2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540234
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
山内 茂雄 Nara Women's University, 理学部, 教授 (60260410)
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Keywords | X線 / X線スペクトル / 銀河面X線放射 |
Research Abstract |
(1) 銀河面X線放射の観測 鉄イオンの特性X線の強度は、銀河面X線放射の空間分布を表し、異なる電離状態にある鉄元素の特性X線の強度比は高温ガスの温度の指標ともなる。また、銀河面X線放射がたくさんの点源の足し合わせであるならば、そのスペクトルは多くの点源の平均スペクトルとなり、どの領域でもほぼ同じ形状になると期待される。これらの点に着目し、すざく衛星で観測した銀河円盤、銀河バルジ領域のX線スペクトルの解析を行い、輝線の強度分布と輝線強度比を調べた。現在まで約20点の領域のスペクトルを解析し、輝線強度を求めたところである。3本の輝線は、どの領域にも見られるが、輝線の強度比は必ずしも一定とはいいがたい。今後、すざくXIS検出器で得られた全エネルギーバンドのスペクトルの比較も行い、スペクトルの相違点を詳細に調べていく予定である。 (2) 超新星残骸の観測 銀河円盤領域に位置する超新星残骸G12.0-0.1、およびG344.7-0.1の解析を行い、空間構造、X線スペクトルの特徴を精査した。G12.0-0.1は点源程度の広がりを持ち、スペクトルは非熱的放射である可能性が高いことがわかった。G344.7-0.1は中心集中した構造を示し、どの領域も少なくとも2成分の熱的放射か共存していることかわかった。 (3) その他の天体の観測 超新星残骸G156.2+5.7を観測時に拡がった構造を持つX線天体を発見した。この天体のスペクトルに輝線が観測きれたが、このエネルギーには対応する特性X線はないため鉄のK輝線が赤方偏移したものであると考えられる。X線構造の広がり、X線光度、スペクトルから、この天体が銀河団である可能性が高いと結論した。
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Research Products
(2 results)