2009 Fiscal Year Annual Research Report
星間分子の遠赤外域探査に備えた分子・イオンの高精度遠赤外分光
Project/Area Number |
21540238
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
松島 房和 University of Toyama, 理工学研究部(理学), 教授 (40142236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森脇 喜紀 富山大学, 理工学研究部(理学), 教授 (90270470)
小林 かおり 富山大学, 理工学研究部(理学), 准教授 (80397166)
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Keywords | テラヘルツ / 遠赤外 / 電波天文学 / 分子イオン / 分光学 |
Research Abstract |
(1) 交流放電システムの改良とH_2D^+イオンの成果公表 生成数の少ないイオン分子を試料とする分光測定では、数十Pa程度の比較的高い圧力で混合した気体試料を材料にして放電によりイオンを生成する。その際に必要な交流増幅用のアンプを旧来のものより大きなパワーのものに変えることにより、水素を主とする試料の場合でも余裕を持って実験ができるようにした。このアンプとともに今後製作する昇圧トランスにより、星間分子の中心的な研究対象である水素含有の軽いイオン分子の分光研究を系統的に進められるようになる。これまでに測定されたH_2D^+イオンの測定結果については、Journal of Molecular Spect roscopy誌に掲載された。 (2) NH_3分子の測定と成果公表、 交流アンプの納入までの期間に、当初2年度目に測定を進める予定であったNH_3分子について前倒しで1年目から実験を進め初年度で済ませてしまうことができた。この分子の測定は米国ジェット推進研究所やドイツ、フランスの研究所との共同研究であり、来るべき遠赤外天文学において、宇宙の物理環境を探る際の有効な分子であるNH_3分子の基本的な分光データを提供するものである。我々のデータをとりいれた論文がすでに投稿済みである。 (3) レーザー電源の故障と措置 アンプの新調が済み、テスト実験をするうちに、本分光装置製作時から20年近く働いてきたレーザー電源が故障した。耐用年限を大きく過ぎているということで電源メーカーでも修理が不可能ということで、電源は新年度に借入金で急遽あつらえることとした。年度の最後の3か月はこれにより実験ができなかったため、NH_3分子のデータ整理と公表にあてた。
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Research Products
(11 results)
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[Presentation] THz spectroscopy of H_2D^+2009
Author(s)
F.Matsushima, 他3名
Organizer
64^<th> OSU International Symposium on Molecular Spectroscopy
Place of Presentation
Ohio State Univ., Columbus, Ohio, USA
Year and Date
2009-06-23
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