2010 Fiscal Year Annual Research Report
非軸対称な原始惑星系円盤におけるダストダイナミクス
Project/Area Number |
21540239
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡邊 誠一郎 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (50230967)
|
Keywords | 惑星起源・進化 / 理論天文学 / 宇宙物理 / 光学赤外線天文学 / 微惑星 / 固体微粒子 |
Research Abstract |
原始惑星系円盤における熱的不安定の計算結果、および渦形成のシミュレーションの結果に基づき、生成される渦の流れ場のモデル化し、数値流体シミュレーションと比較して解析解の妥当性を検証した。ダストの渦への流入過程、渦中心への落下過程、渦中心での微惑星形成過程をガス・ダスト2流体モデルによって計算し、ダストが中心部に集中する過程を記述する半解析解を導いた。この妥当性を検証するため、Inaba & Barge2006に基づいたガス・ダスト二層流体シミュレーションを行い、半解析解と比較を行った。ダストからの反作用が無い場合の数値シミュレーションとの比較から,解析解に使用した渦のガス流は非常に良い近似であるものの、渦中のダスト密度の増加は数値流体シミュレーションの方が解析解よりもゆるやかに進行することが明らかになった。これは,数値流体シミュレーションにおいては乱流拡散もしくは数値拡散によって、ダストの中心集中が抑制されるためと考えられる。また,数値流体シミュレーションでは、渦運動は非定常であり、その影響も両者の差の原因となっていると考えられる。しかし、半解析解はダストの中心集中の上限を与えるため,これを用いて,渦における微惑星形成の効率を計算することが可能となる。このため,いくつかの渦生成の数値シミュレーションの結果に基づいて,渦の生成率を与え、微惑星の生成率を計算した。また,渦中心でダスト面密度が自己重力不安定を引き起こす臨界値を越えた場合の重力不安定の進行についても解析的に検討を進めた。
|
Research Products
(3 results)