2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540240
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長田 哲也 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授 (80208016)
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Keywords | 光学赤外線天文学 / 星間偏光 / 星間減光 / 星間物質 / 銀河系 / 星間磁場 / 星間塵 / 波長依存性 |
Research Abstract |
南アフリカ天文台サザーランド観測所にわが国が設置した赤外線望遠鏡IRSFと3色同時撮像装置SIRIUSに偏光測定ユニットSIRPOLを搭載し、銀河系の中心部と銀河面に沿った領域および星形成領域のJ、H、Ksバンド偏光観測を行なった。また、すばる望遠鏡に搭載した観測装置CIAOと偏光計を使った銀河系中心部の巨大ブラックホール天体候補SgrA*の偏光観測のデータから、フレアにともなう偏光の変化をとらえた。また、銀河系中心部のX線天体と赤外線天体の間の関係を求めた。さらに、銀河系中心部のミラ型星の受けている星間減光を広い範囲にわたって決定した。 まず、SgrA*の偏光観測では、220分にわたる連続観測から3度の増光現象をとらえ、その間に明らかな偏光の変化を観測した。偏光度はKバンドで20%の増加を示し、シンクロトロン放射起源とするモデルと整合する。さらにこのモデルとの比較を進めると、ガスがディスク状に落ち込むというモデルの場合、このディスク面は視線方向とかなり傾いている(エッジオンに近い)ことが明らかになった。 また、銀河系中心部2平方度の9000あまりのX線源のうち、5184個について近赤外線との同定を行なった。これらのうちいくつかは、星間減光を求める際の標準光源として使える可能性がある。 銀河中心部のミラ型星については、1/6平方度で1364個の長周期変光星を同定したのち、視線方向毎にきわめてムラのある減光をつぶさに求めることができた。スピッツァー宇宙望遠鏡で検出された中間赤外線源との同定も行なった。
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Research Products
(5 results)