2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540248
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
小久保 英一郎 国立天文台, 理論研究部, 准教授 (90332163)
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Keywords | 惑星系形成 / 太陽系 / 系外惑星系 |
Research Abstract |
本研究の目的は、作業仮説である「連鎖集積シナリオ」に沿って木星や土星の形成過程を大規模惑星集積シミュレーションを行うことによって明らかにし、太陽系の構造の起源を解明すること、そしてこの結果を応用することによって多様な惑星系の構造の起源を明らかにすることである。 連鎖集積シナリオを検証するためには、大域的な惑星集積のシミュレーションを行う必要がある。これを可能にするため、昨年度から、専用シミュレータ「太陽系形成シミュレータ」を構築している。太陽系形成シミュレータは、重力多体問題専用計算機GRAPE-DRと並列ホストコンピュータからなる。本年度はGRAPE-DRの新ライブラリの導入に伴い、ホストコンピュータの更新を行った。現在、太陽系形成シミュレータを用いて、第1ガス惑星(木星)が形成された後に、その影響化で第2ガス惑星(土星)の核(原始惑星)形成がどのように進むかについて試験的な実験を始めている。木星近傍の微惑星は強い重力散乱によって軌道を大きく変化させ、多くの場合、外側に移動する。移動によって微惑星個数密度が増加したところでは惑星集積が加速されることになる。今後、木星の質量、軌道、ガス捕獲速度を変化させながら、どのように木星外側での惑星集積に影響を与えるか系統的に調べる予定である。 また、連鎖集積シナリオについて議論をするために、国際研究会Evolving Theory for Planet Formation(石垣)に参加し発表を行った。
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Research Products
(5 results)