2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540248
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
小久保 英一郎 国立天文台, 理論研究部, 准教授 (90332163)
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Keywords | 惑星系形成 / 太陽系 / 系外惑星 |
Research Abstract |
本研究の目的は、作業仮説である「連鎖集積シナリオ」に沿って木星や土星の形成過程を大規模惑星集積シミュレーションを行うことによって明らかにし、太陽系の構造の起源を解明すること、そしてこの結果を応用することによって多様な惑星系の構造の起源を明らかにすることである。 連鎖集積シナリオを検証するためには、大域的な惑星集積のシミュレーションを行う必要がある。これを可能にするため、一昨年度から、専用シミュレータ「太陽系形成シミュレータ」を構築している。太陽系形成シミュレータは、重力多体問題専用計算機GRAPE-DRと並列ホストコンピュータからなる。 本年度は昨年度に引き続き、GRAPE-DRの新ライブラリの調整と太陽系形成シミュレータ用のシミュレーションコードの最適化を行った。しかし、新ライブラリではGRAPE-DRの動作が不安定になり、長期大規惑星集積シミュレーションを実施することがまだできないでいる。現在、不安定になる原因をメーカと協力して解明中である。また、試験計算として、安定に動作する比較的小規模のシミュレーションによって、微惑星円盤中に雪線が存在する場合に原始惑星の寡占的成長がどのように進むかについて実験を行っている。今後もメーカと協力してライブラリの調整を行い太陽系形成シミュレータのハードウェアを安定化させる予定である。そして安定化した後に、当初計画していた大規模惑星集積シミュレーションを実施し、連鎖集積シナリオを検証する。
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Research Products
(6 results)