Research Abstract |
1,ゲージ群がSU(3)のヤン・ミルズ理論において,ウイルソンループの期待値を格子上でモンテカルロシミュレーションを用いて計算した。磁気モノポールを,カラー対称性を破るような可換射影に依らずに,カラー対称性を保持する我々のグループが開拓した方法を用いて評価した。その結果,ウイルソンループが面積則を示すSU(3)の基本表現に属する場合に,U(2)に制限された成分だけで,弦定数を再現することを示した。そのうちで,弦定数に効く最も支配的なトポロジカルな配位は,U(2)の非可換磁気モノポールであることを示した。これは,従来の可換射影に基づく考察では,最大トーラス部分群U(1)xU(1)に起因する可換磁気モノポールが閉じ込めに支配的であるという通説とは異なる,新しい結果である。 2,伝播関数をU(2)に制限された成分とそれ以外に分けて計算し,長距離では,U(2)に制限された成分が支配的になることと,それ以外の成分は長距離では急速に減少することを示した。ちなみに,その減少率は質量1.1GeVに対応すること得た。 3,次に,静的クォーク・クォーク対から生成するカラーフラックスは,両者を繋ぐ直線上にチューブ状に絞られ,その電場成分のみが消えないで残り,閉じ込めに支配的な寄与をもたらしいていることを示した。これにより,U(2)の非可換磁気モノポールを起源とする双対マイスナー効果を検証し,SU(3)のヤン・ミルズ理論において非可換磁気モノポーに基づく双対超伝導描像を裏付けることに成功した。
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