2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540257
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松井 哲男 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (00252528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 宏次 東京大学, 総合文化研究科, 助教 (10313173)
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Keywords | クォーク・グルーオンプラズマ / 相対論的原子核衝突 / クォーコニウム / クォーク・ハドロン相転移 |
Research Abstract |
研究代表者の松井は学生2名を指導して、ハドロン衝突におけるクォーコニウム生成過程の研究と、クォーク・ハドロン相転移の有効理論に関する研究を行った。 前者の研究では、まずカラー一重項模型によって、クォーコニウムの内部波動関数を考慮した計算を行ったが、単純なパートン分布関数を用いた生成断面積の値は実験で得られた横運動量分布や、偏向効果を再現できないことがわかった。この研究結果は、渡邊(現在D3)によって2回の学会発表(2011年秋弘前大、2012春関西学院大)で報告された。この研究は、後に、研究分担者の藤井の協力を得て、パートン分布関数のグルーオン非線形相互作用の効果を取り込んだ、カラー凝縮体模型(CGC)によるハドロン原子核相互作用の研究に発展している。 後者の研究では、クォーク閉じ込めの効果とカイラル対称性の自発的破れの効果を取り入れたPNJL模型による有限温度でのクォーク・ハドロン相転移の記述を行った。平均場近似の下で、クォークの熱励起は、低温相ではポリアコフループの統計平均により取り除かれるが、メソン励起型の相関を取り入れることにより、低温相がメソンの自由ガスになることを示した。これまでの先行研究では、低温相でクォークの分布関数がバリオンの分布関数となると解釈されて来たが、この計算にはバリオン中のクォーク相関が入っておらず、自由度も異なるという問題があることを指摘した。この研究の成果は、山崎(現在D2)により学会(2012春関西学院大)と国内研究会(2012年8月京大基礎物理学研究所研究会)、また国際サマースクール(2012年9月Erice)でも報告され、現在専門誌に投稿中。 研究分担者の藤井は、上記の研究以外に、有限バリオン密度におけるQCD相転移の格子ゲージ理論による数値シミュレーションのために複素ランジュバン方程式を用いた新しい手法の開発研究を行った。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)