2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540260
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
淺賀 岳彦 Niigata University, 自然科学系, 准教授 (70419993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷本 盛光 新潟大学, 自然科学系, 教授 (90108366)
中野 博章 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (60262424)
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Keywords | 素粒子理論 / 宇宙物質創成 / レプトンセクターのCP対称性の破れ / ニュートリノ質量 |
Research Abstract |
現代素粒子・宇宙物理最大の謎の1つである「宇宙物質・反物質非対称性」の起源について考察した。本研究では、軽い右巻きニュートリノのフレーバー混合に起因した機構を取り扱った。特に、ニュートリノ振動実験により検証可能性があるレプトンセクターのCP対称性の破れの大きさと宇宙物質創成量の相関について明らかにした。 我々は、宇宙物質創成量を数値的および解析的な評価法を確立した。特に解析的な評価式は非常に重要な研究成果であり、その結果、物質創成量のニュートリノパラメータ(質量、混合角およびCP位相)依存性が明らかとなり、「宇宙物質・反物質非対称性」の起源解明へ向けて大きく前進した。 具体的な研究成果としては、ニュートリノ質量が階層的な場合と逆階層的な場合を比べると、一般的には後者は約5%程度生成量が小さいことが判明した。一方、階層的な質量の場合、混合角θ23が45度およびθ13が0度となると物質生成量が消滅する事を発見した。よって、将来の振動実験によりこれらの混合角が詳細に測定されると、宇宙物質生成の観点からニュートリノ質量の階層性について大きな手がかりが得られる。 さらに我々は、上記の宇宙物質生成の主役である軽い右巻きニュートリノの実験検証についても考察した。特に、質量がパイ中間子より軽い場合を考えて、パイ・K中間子崩壊から生成される右巻きニュートリノの検証について研究した。その結果、今後の実験で検証する際、混合角θ13が小さい場合にはパイ中間子崩壊過程を、θ13が実験の上限値に近く大きい場合にはK中間子崩壊過程を用いると発見の可能性が高まることを指摘した。
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Research Products
(9 results)