2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540269
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
高橋 智彦 奈良女子大学, 理学部, 准教授 (10324956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 功 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (60399433)
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Keywords | 素粒子論 / 弦理論 / 弦の場の理論 / タキオン凝縮 / ゲージ対称性 / 古典解 |
Research Abstract |
弦の場の理論の理論構造を古典解とゲージ対称性の観点から明らかにするという目的で、研究実施計画に沿って、クラスタ計算機を利用した弦の場の理論の研究を行い以下の成果を得た。1、弦の場の理論における単位弦場に基づく古典解のまわりでの理論を解析し、ホモトピー演算子が存在することを示した。2、このホモトピー演算子を用いて、タキオン真空における1ループ真空エネルギーがブレーン間距離などのモデュライ変数に依存しないことを示した。3、三弦相互作用をもつ超弦の場の理論におけるBRST作用素の変形を論じ、ある条件のもとでホモトピー演算子が存在することを示した。4、超弦の場の理論において、ホモトピー演算子が付随するBRST作用素を生成する古典解を構成した。5、マージナル真空における弦の場の理論を数値的に解析し、真空エネルギーのモデュライ変数に対する依存性を明らかにした。 単位弦場に基づく古典解は弦の場の理論のゲージ対称性と深く関連しているが、その関係を真空構造の観点から明らかにすることができた。これらの研究結果は、この古典解が物理的にタキオン真空解に対応することと完全に整合している。1ループ真空エネルギーのモデュライ依存性の計算では、昨年度の数値解析で得た結果を厳密に証明することができた。本研究によって、単位弦場に基づく古典解とタキオン真空解との対応が明確になったと同時に、弦の場の理論における非摂動論的真空上での量子効果が厳密に計算できたことは重要な成果である。
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Research Products
(9 results)