2010 Fiscal Year Annual Research Report
磁気優勢な領域における相対論的アウトフローの数値的解明
Project/Area Number |
21540271
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小嶌 康史 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10192577)
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Keywords | 中性子星 / 相対論 / 天体プラズマ |
Research Abstract |
磁場が支配的な領域でのプラズマ状態とそこから放出される相対論的な速度の流れの理論的解明を目的としている。二成分プラズマ(二流体近似)の運動方程式とマクスウェル方程式を無矛盾に解くという計算手法で、天体スケールの大域的な電磁場構造とプラズマの運動を調べる。本研究では両方が無矛盾な解を求める数値的手法を模索している。高精度でと効率的な収束方法が必要であることが分かり、その困難の克服に努力している。以上が本研究の主要部分であるが、その他関連分野での共同研究により、多くの成果が得られた。 パルサーの固有運動速度の起源解明の可能性(発表論文) 超新星爆発の異方性により生じる可能性があるが、そのためには非常に大きな磁場が必要とされる。一方、磁場が中性子星誕生後にダイナモにより増幅されるなら、その後の影響が重要になる。そこで、磁気双極子と高次の多重極で磁気圏が形成されている場合、その配置により電磁気的な運動量を放出する。その反作用として得られる運動速度を見積もった。 降着を伴うミリ秒パルサーの質量増加量の観測の統計的性質(発表論文) ミリ秒パルサーの磁場は弱く、磁気圏は小さい。そのため、降着物質による質量増加も大きいと想像できる。観測的に推察されているパルサーの質量を数多く取り扱うことにより、質量降着の性質の手掛かりとなる。その結果、連星系をなすミリ秒パルサーは比較的質量大きな方へと集団分布していることがわかった。 また、巨大ブラックホールとその母銀河で進化の相関関係やブラックホール周りに存在する降着円盤から発する光から一般相対論の効果をさぐる方法に関しての成果をまとめた。
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Research Products
(7 results)