2011 Fiscal Year Annual Research Report
磁気優勢な領域における相対論的アウトフローの数値的解明
Project/Area Number |
21540271
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小嶌 康史 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10192577)
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Keywords | 中性子星 / 天体プラズマ / 相対論 |
Research Abstract |
磁場が支配的な領域でのプラズマ状態とそこからの相対論的な速度で噴出する流れなどに関連する現象を理論的な解明を目的としており、本年度はいくつかの異なるテーマで成果があった。時間の都合上多くは進展していないが、それぞれの研究テーマでさらなる成果も可能のように思える。 磁気優勢な領域で高速で起こる磁気リコネクション(発表論文) 短時間で起きるに磁気リコネクションのモデルの相対論的な場合への拡張が考えられてきた。非相対論的な磁気流体の場合は磁気Reynolds数(Lundquist数)にのみに流れが依存するが、磁気が優勢な相対論的な場合、磁気パラメータにも依存すると予想される。2次元X型ヌル領域におけるMHD波の集積とそこでの磁気散逸に関する数値計算結果の論文が公表された。今後より一般的な拡張や定常になる物理条件や非理想MHD条件が発現する条件・場所を時間発展の計算コードを用いて明確にする予定である。 パルサーのガンマ線発光場所の観測からの制限(発表論文) パルサー磁気圏の構造解明に向けて、観測で求められているガンマ線パルス周期と理論モデルで合わせることで、その発光場所に関する情報を得た。また、いくつかの天体の観測量とモデルとを比較することで、おおむね磁気圏構造はForce-Free近似で求められたものに近いことがわかった。 マグネターの磁場進化(発表論文) マグネターは強磁場を持った中性子星であり、その永年的な磁場の進化にはホールドリフトが重要な役割を果たす。そこでその効果を取り入れた磁場の減衰を理論的に計算した。トロイダル磁場とポロイダル磁場が非線形結合を起こし、単純な指数関数的減少でなく、興味ある時間的振る舞いを示した。今後、マグネターの活動性との関連に研究を進展させる予定である。
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Research Products
(9 results)