2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540276
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中尾 憲一 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90263061)
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Keywords | 宇宙論 / 相対論 / 非一様宇宙 |
Research Abstract |
(A)非一様宇宙の大域的な進化と非一様性の関係 ブラックホールは暗黒物質の候補のひとつと考えられているが、本当に候補になり得るかは、未だに明らかにされていない。それを明らかにするために、ブラックホールが等間隔に並ぶ宇宙に注目し、本年度は一般相対論の基礎方程式であるアインシュタイン方程式に含まれる拘束条件を数値的に求めるプログラムを完成させた。 (B)宇宙の非一様性が、距離-赤方偏移関係等の宇宙論的な観測に与える影響の解明 宇宙の加速膨張問題を解決する為に提案された巨大ボイドモデルにおける赤方偏移ドリフトと宇宙背景輻射の観測についての研究を行った。巨大ボイドモデルは、速度場と重力ポテンシャルの非一様性によって、宇宙が加速膨張しているように見えるモデルである。本当に加速膨張しているか見かけ上、加速膨張をしているのかを区別する一番直接的な方法は、光源天体を長期間観測し続けて、その光の赤方偏移の時間変化(赤方偏移ドリフトと呼ばれる)を確認することだと考えられている。そこで、密度分布が観測者からの距離について単調増加関数の等方ボイドモデルは、この赤方偏移ドリフトによって極めて強い制限がつくことを数学的に厳密に示した。また、宇宙背景輻射の揺らぎのピーク位置とkinematic Sunyaev-Zel'dovich効果について解析し、輻射の非一様性を考慮すれば、現在得られている観測データと無矛盾なモ巨大ボイドデル構築が可能であることを明らかにした。
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Research Products
(10 results)