2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540278
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
稲見 武夫 中央大学, 理工学部, 教授 (20012487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向山 信治 東京大学, 数物連携宇宙研究機構, 特任准教授 (40396809)
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Keywords | 高次元ゲージ理論 / インフレーション / fine tuning / 超対称性 / 高次元重力 / radion / Horava重力 |
Research Abstract |
2年間の研究で,高次元ゲージ理論に基づいたヒッグスとインフラトンの模型を作り,インフラトン・ポテンシャルの量子補正が計算できた.さらに,曲率揺らぎを担うcurvatonという新しいスカラー場について,高次元ゲージ理論からの新しい解釈を提唱し,天体観測データを上手く説明出来た. 今年度は,上述の前年度の研究を先に先に進め,さらに,平行して次の新しい研究を行った. 1.高次元重力場に含まれる,radionとよばれるスカラー場に基づくインフラトン模型を提案した.slow rollポテンシャルが得られ,精密な天体観測データとの一致もよい. 宇宙項問題は理論物理の大問題である.最近になって,宇宙項の計算の枠組みが初めて見えて来た.このような状況で, 2.ドジッター空間上の場の量子論の研究を始めた.宇宙項の赤外遮蔽機構の研究を進めている. (1)重力ループによる宇宙項への補正. (2)toy模型として低次元場の理論を考えて,n点関数へのループ補正. (3)宇宙項への非摂動効果,具体的にはドジッター空間上のインスタントンの足し上げ. 向山は,(1)新しい量子重力理論(Horava重力)に基づく宇宙論,(2)新しいmassive gravity理論に基づく宇宙論,についての研究を進めた.(1)では,gradient展開の方法を用いて低エネルギーでの非線形揺らぎの振る舞いを調べ,一般相対性理論への極限が連続的であることを示した.(2)では,一様等方解を発見し,その周りの線形摂動を解析した.
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