2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540287
|
Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
中道 晶香 Kyoto Sangyo University, 天文台準備室, 専門員 (30356125)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森川 雅博 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (90192781)
|
Keywords | ダークマター / 自己重力系 / 乱流 / スケーリング則 / ダイナモ機構 |
Research Abstract |
本年度は、自己重力無衝突ダークマターが非線形領域において乱流状態になることに着目し、自己重力系の乱流理論を構築しました。この理論に基づき、以下の5種類の観測結果(1.球状星団から銀河団までの速度分散のスケール依存性、2.質量と光度の関係と天体のサイズのスケーリング、3.角運動量と質量のスケーリング、4.密度ゆらぎのパワースペクトル、5.ダイナモ機構で生成される磁場と天体のサイズとのスケーリング)を全て説明しました。 また、交付申請時には予定していませんでしたが、乱流理論の正当性を示すため、1次元モデルにて数値シミュレーションを行いました。その結果、「エネルギーが一定の流れ」の仮定を用いた乱流理論から導いた結果と、仮定を使わずに数値的に乱流の式を解いたシミュレーションの結果が一致することが確かめられ、仮定の正当性を示す根拠が得られました。 これらの結果を査読付論文に発表しました。ダークマターが乱流状態になるという観点は、私達のオリジナルです。実際に5種類もの観測結果を同じ理論で説明できたところに、意義があります。 次に、太陽磁場の乱流理論と同じアイデアが、地球磁場のモデルにも使えることが判明したため、地球と太陽の乱流理論の研究を並行して実施し、両者の磁場反転を説明しようとしています。地球磁場については、ドミノ・モデルを仮定した計算をほぼ終え、論文の執筆を始めています。太陽磁場については、『ひので』衛星が2009年に発見したローカル・ダイナモを仮定し、乱流の式の検討をしています。
|
Research Products
(2 results)