2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540287
|
Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
中道 晶香 京都産業大学, 神山天文台, 専門員 (30356125)
|
Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | インフレーション膨張 / ダーク・エネルギー / ダーク・マター / 不安定性解析 / スケール因子 / 微調整問題 / スカラー場 / 真空のエネルギー |
Research Abstract |
本年度は、研究の最終目的に設定した「宇宙規模のスケールに存在する磁場を、初期宇宙のインフレーション理論から導くこと」に集中して研究しました。 【具体的内容】 先行研究により、一様なスカラー場はインフレーション膨張を起こすが、微調整が無ければ一般にポテンシャルに負の領域があり、やがて宇宙膨張が止まり(stagnant)、スカラー場が急激に変化することが知られ(stagflation)、我々の前年度までの研究により、負のポテンシャル領域とstagflationは普遍的な現象であることがわかっていました。もし、一様スカラー場が不安定ならば、スカラー場は崩壊して真空のエネルギーが無くなるため、微調整の必要が無くなり、我々が目指した理論モデルが得られたことになりますが、安定ならば、stagflationを起こした後もスカラー場が残ってしまいます。そこで、線形ゆらぎの式からスカラー場の不安定性を調べる研究を先に実施しました。スカラー場と重力ポテンシャルはバックグラウンドからの線形摂動を考え、ハッブル・パラメーターやスケール因子は解析解を使ったところ、粒子生成に伴って重力ポテンシャルのエネルギー密度が負になるにつれて、より不安定になるという結果を得て、物理学会で発表しました。 【意義、重要性】 従来のインフレーション膨張モデルでは、インフレーションを終わらせることができなかったり、現実と合わせるためには真空のエネルギーの微調整が必要ですが、我々の理論モデルでは、一様スカラー場が不安定になり自然に崩壊するため、インフレーションは自然に終わり、真空のエネルギー量を調整する必要も無いことが重要です。インフレーション膨張モデルに一つの道筋をつけました。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(5 results)