2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540295
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小松原 哲郎 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (10195852)
|
Keywords | 宇宙元素合 / ガンマ線分光 / Al-26 / 原子核構造 / 超新星爆発 |
Research Abstract |
半減期72万年の26Al(アルミニウム26)からの1.8MeVのガンマ線は、人口衛星に搭載されたガンマ線検出器により観測され、天の川銀河の中心方向から飛来している。この26Alは、超新星爆発によって生成されたと考えられており、宇宙空間にばら撒かれている。26Alの生成率をより正確に求める為に、その生成過程のバイパス経路にある26Siの原子核構造を詳細に研究した。26Alは25Al(β+)25Mg(p,γ)26Al反応で生成されるが、天体の温度が高いと25Alがベータ崩壊する前に反応を起こし、25Al(p,γ)26si(β+)26mAlの様に崩壊し、ガンマ線を出さないアイソマー状態を生成する。筑波大学にて実験を行い、タンデム加速器により加速された10MeVの3Heビームをマグネシウムターゲットに照射し、26Siの励起状態を生成した。ここから脱励起する際に放出される1797keVのガンマ線の角分布を測定した。実験の結果、ガンマ線の放出は等方的に近く、励起状態のスピン整列が、摂動などによって損なわれている事が判明した。この結果、26Siの励起状態の5672.1keVの状態がスピン1+である事が確認された。また、既存のデータと我々の結果を比較検討したところ、我々が観測した5885.7keVはこれまでに見出されていない新たな準位である事が結論づけられた。
|
Research Products
(1 results)