2010 Fiscal Year Annual Research Report
へき開法によるシリコン表面上の超薄膜界面構造の断面走査トンネル顕微観察
Project/Area Number |
21540322
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
服部 賢 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 准教授 (00222216)
|
Keywords | 走査トンネル顕微鏡 / 界面構造 / へき開 / 薄膜 / シリコン表面 |
Research Abstract |
シリコン試料のへき開断面を走査トンネル顕微(STM)観察するためには、まず平坦なへき開面を作製することが必要である。これは基板上に薄膜界面を作製し、そのへき開断面を観察する上においても重要である。平坦なへき開を得るために、Si(111)インゴットの場合、最初に基準となるSi[1-10]方向に±0.5°以下の精度で深い溝を入れ、ブレードで押し広げるとその基準線に沿って2xlシングルドメインのへき開面が生じる。Si(111)ウェハーの場合のへき開法は確立していなく、ウェハー形状や保持方法、応力印加方法など多くのパラメータを調整する必要がある。昨年度は、精度の良い既製のケガキ装置がなかったため、初めに、光像法を利用した面方位調整機能をもつスクライバー(自動ケガキ装置)を作製し、まだ、真空へき開が可能な試料ホルダーの設計、製作を行い、真空へき開、低速電子回折(LEED)測定、STM観察を行った。その際、マクロスコピックなへき開断面に問題があることが判明し、CZタイプのウェハーやへき開時の力の入れる方向や強度を、その原因として考えた. そこで本年度は、CZタイプの代わりに(入手困難であるがへき開し易いと予想される)FZタイプのウェハーをまず使用した。が、CZタイプとあまり変わらず、へき開自体の問題であることが判明した。そこで種々のへき開手順を4mmx20mmxO.5mm程度の短冊状のウェハーに試したところ、ケガキを4mmの試料幅全体に入れるのではなく、端の1mm程度に抑え、厚さ0.5mmのウェハー上下をSi[1-10]方向に精度よく金具で保持し、なるべく保持金具から離れたウェハーの端を押すと、ケガキを入れた面側のケガキのない領域で、きれいなへき開断面ができる傾向があることが分かった。
|