2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540323
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
野上 由夫 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (10202251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 直 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (00222894)
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Keywords | 時分割計測 / X線・粒子線 / 電荷秩序 / 強相関 / 有機導体 |
Research Abstract |
直流を交流に変換する有機サイリスタの原因となる非線形伝導効果と電荷秩序との関連について知ることは,有機誘電体の形成および消失メカニズムを研究する上で極めて重要である。電流に依る電荷秩序融解過程の時定数と再凍結過程の時定数はかなり長く数十msec以上である。この異常に長い時定数は,この電荷に関する誘電性が,実際には格子とも大きくカップルしている可能性を示唆している。これを裏付けるように,電流を流し2倍周期の変調構造が変化することに同期して,格子長が大きく変化している兆候を見いだしている。しかも,電場にたいしての係数は,通常のピエゾ素子の数千倍にも達している。この格子長変化は電流に比例し電流による格子変形効果が観測されている可能性がある。2009年度,本研究ではこの非線形効果のメカニズムを詳しく調べるために,2種類の有機物質で電流印加時にX線超格子実験をおこない,以下の様な本質的に重要な結果を明らかにした。1) 電流に依る非線形効果はいわゆる非平衡効果であり電流によるジュール発熱効果ではない。これは発熱により電荷秩序が安定化する系で,電流による電荷秩序と非線形効果を観測した。もしジュール熱効果であれば,電荷秩序は安定化し,抵抗変化も実測と逆傾向になる筈である。これらの結果は国内国際会議で発表し,論文に上梓した。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Current-Density Dependence of the Charge-Ordering Gap in the Organic Salt θ -(BEDT-TTF)2CsM(SCN)4(M=Zn, Co, and Co0.7Zn0.3)2009
Author(s)
Fumiaki Sawano, Tomobiro, Suko, Taichi S.Inada, Shuichi Tasaki, Ichiro Terasaki, Hatsumi Mori, Takehiko Mori, Yoshio Nogami, Naoshi Ikeda Masashi Watanabe, Yukio Noda
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Journal Title
J. Phys. Soc. Jpn. 78
Pages: 24714
Peer Reviewed
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