2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540326
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
徳永 英司 Tokyo University of Science, 理学部, 准教授 (70242170)
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Keywords | 水 / ポッケルス効果 / 電気光学効果 / 電気二重層 / ITO / GaN / TiO2 / DMSO |
Research Abstract |
電解質水溶液中の電極に電圧を印加すると、電極表面に高電場が集中した厚さ数nmの水の電気二重層、電極内部に空間電荷層が形成される。電極界面の水の電気二重層内のポッケルス効果が電極依存性を持つかどうかを調べるため、n型GaNとn型TiO2を使い、垂直入射でそれぞれの界面の水のポッケルス係数を導出した。結果は GaN:r_<13>=0.63×100pm/V、TiO2: r_<13>=1.1×100[pm/V] で、ITO界面の値r_<13>=(2.0±0.3)×100pm/Vと比べて小さく、水のポッケルス効果には電極依存性があることがわかり、電極界面と水との相互作用が重要であることを示唆している。GaNについては斜め入射でも実験を行い、r_<13>も導出した。 次に、この効果が水に特有のものであるかを調べるため、水以外の極性溶媒、メタノール、エタノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)についても塩化リチウムを電解質とした電場変調分光法を行った。結果、予想に反して水以外の溶媒も比較的大きなポッケルス効果を示し、ポッケルス係数の大きさの順序は水、メタノール、エタノール、DMSOの順となった。これは液体状態での水素結合の大きさの順と一致し、ポッケルス効果に水素結合が寄与している可能性を示唆している。
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