2009 Fiscal Year Annual Research Report
金属上に置かれたZnOナノ粒子の発光増強に関する研究
Project/Area Number |
21540329
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
原田 義之 Osaka Institute of Technology, 工学部, 准教授 (20288757)
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Keywords | ZnOナノ粒子 / 金属 / 励起子 / 発光増強 |
Research Abstract |
本研究は金属上に置かれたZnOナノ粒子からの励起子発光の特性を明らかにするとともに,発光増強の機構解明を目指して行われてきた。研究ではプラズマによる気相堆積法やゾルゲル法で作製された様々な粒子サイズ(10-100nm)を有するいくつかのZnOナノ粒子を用いた。多くのナノ粒子の形状は多角形を有し,比較的格子欠陥の少ない高品質の粒子である。超純水中にナノ粒子を希薄分散させた溶液を作製し,スピンコート法により金属板を含む各種基板表面に一様に塗布することで光学測定用の試料を作製した。またナノオーダーの異なる凹凸表面を有するいくつかの金属板を準備し,それら板上に各ZnOナノ粒子を塗布した試料もあわせて作製した。それらの試料については走査電子顕微鏡(SEM)及び透過電子顕微鏡(TEM)測定を実施し,ZnOナノ粒子の形状,粒径,表面状態に加えて基板上に置かれた粒子の数,分布状態を詳細に調べた。さらに試料の光学特性を明らかにするため,紫外から可視領域での吸収や発光スペクトルの測定を行った。ナノ粒子からは明瞭な束縛励起子および自由励起子の遷移に伴う発光線が観測された。これら一連の実験結果を考慮しつつ,本研究に最適な均一で良質な試料作製を試みた。 本年度は試料作製法の確立と今後の研究で用いるいくつかの試料の作製に成功した。その試料のうち表面に数十nmの凹凸を有する金属上に置かれたZnOナノ粒子からは,特に顕著な発光増強現象が観測された。その原因の一端には金属表面に励起される表面プラズモンが大きく関与していることが示唆され,その考察を試みた。一連の研究成果については論文にて発表を行った。
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