2010 Fiscal Year Annual Research Report
金属上に置かれたZnOナノ粒子の発光増強に関する研究
Project/Area Number |
21540329
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
原田 義之 大阪工業大学, 工学部, 教授 (20288757)
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Keywords | ZnOナノ粒子 / 金属 / 励起子 / 発光増強 |
Research Abstract |
本研究は金属上に置かれたZnOナノ粒子の光学的特性を明らかにするとともに,その励起子発光における増強機構の解明とその応用を目指して行われてきた.ZnOナノ粒子についてはプラズマによる気相堆積法やゾルゲル法で作製された様々な粒子サイズ(8-100nm)を有するいくつかの原料ナノ粒子を用いた.それぞれのナノ粒予をスピンコート法により金属基板表面に一様に塗布することで光学測定用の試料をいくつか作製した.2010年度はまずZnOナノ粒子の粒子サイズに対する励起子による発光スペクトルの金属表面依存性や温度依存性を調べた.金属表面の凹凸に依存したRMS量を指標として,発光スペクトルを評価した.金属にAg,の他,Au, Al, Cu, Znなどを用いた.その結果,金属の種類により発光増強度は異なり,AgやAlで大きな増強を示した.さらに,同じ金属においても表面の凹凸がナノ粒子の粒子サイズ程度となると,顕著な発光増強が観測された.この結果は金属表面の微細構造がナノ粒子と同じナノオーダーのサイズである場合に励起や発光緩和が効率よく行われることを示唆するものである.目下,その増強機構に表面プラズモンが大きく寄与していると仮定して,その機構について考察を進めている,続いて顕微測光分光システムを新たに立ち上げ,顕微分光法を用いて試料微小領域からの発光やラマン散乱を測定することが可能となった.いくつかの試料についてはこれまでの発光増強を再現し,支持する発光・散乱光増強を観測した.これらにより金属の表面状態,特に表面プラズモンと発光との関連性を評価することができた
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