2011 Fiscal Year Annual Research Report
磁性体における電流-磁化相互作用の微視的理論の構築とその熱現象への展開
Project/Area Number |
21540336
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河野 浩 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (10234709)
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Keywords | スピントロニクス / スピン流 / スピントルク / スピン移行トルク / 温度勾配 / 線形応答理論 / スピン軌道相互作用 |
Research Abstract |
強磁性体の磁化をスピン流でコントロールすることができるが、多くの場合、このスピン流として、通常の電流に付随するものが利用されている。一方で、スピン流は温度勾配によっても誘起することができる。したがって、温度勾配によってもトルクが生じ、磁化をコントロールすることができる。本研究では、このような、温度勾配により誘起されるトルクを微視的に計算することが主な課題であった。 熱的応答を、線形応答理論と通常のグリーン関数法で計算するための処方として、いわゆるLuttinger の方法という標準的な方法が知られている。しかし、これをトルクの計算に単純に適用すると,(応答関数が絶対零度で発散するなど)非物理的な結果に導かれるという理論的困難があった。この種の困難は,いわゆる“Fermi-sea term” が存在する場合に一般に存在し,量子ホール系やBerry 位相系の熱輸送係数において既に知られていた.今回、我々は、そこでの解決策(磁化電流の分離)を一般化することにより,スピントルクにおける問題も解決でき,いわゆるMott 則を導くことができた.その成果は、国際ワークショップ(Spin Caloritronics 4, 2012.6.3-5, 仙台)で発表し、現在論文としてまとめている。 更に、Rashba 型スピン軌道が存在するときに存在する新しい型の電流誘起トルク、いわゆる「スピン軌道トルク」についても、その熱誘起版を解析した。これは、オランダの研究者(Mr. van der Bijl, ユトレヒト大学)との共同で、現在、論文としてまとめている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
23年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
23年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Current-induced magnetic domain wall motion below intrinsic threshold triggered by Walker breakdown2012
Author(s)
T. Koyama, K. Ueda, K.-J. Kim, Y. Yoshimura, D. Chiba, K. Yamada, J.-P. Jametc, A. Mougin, A. Thiaville, S. Mizukami, S. Fukami, N. Ishiwata, Y. Nakatani, H. Kohno, K. Kobayashi and T. Ono
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Journal Title
Nature Nanotechnology
Volume: 7
Pages: 635-639
Peer Reviewed
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