2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540339
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
真岸 孝一 徳島大学, 大学院・ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 准教授 (00304501)
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Keywords | 強相関電子系 / カゴ状結晶 / 充填スクッテルダイト / 核磁気共鳴 / ナイトシフト / 核スピン-格子緩和時間 / 超伝導 / 磁性 |
Research Abstract |
本研究では、充填スクッテルダイト化合物のカゴ状格子内でのゲスト原子の役割に注目し、原子充填効果と微視的電子状態との関係及びその物性への影響について調べている。具体的には、充填率の異なる試料の核磁気共鳴測定から、それらの微視的電子状態の特徴について調べている。 本年度は、高圧下合成により充填率を高めたCeFe_4sb_<12>について^<121/123>Sb-NQR測定を行い、常圧下合成試料との微視的な電子状態の違いについて調べた。その結果、高圧下合成試料では常圧下合成試料に比べてスペクトル幅が非常に鋭く、電子状態がより均一であることを示した。また、核スピン-格子緩和時間T1の温度依存性から評価したエネルギーギャップの大きさが大きく、高充填率によりCeのf電子と伝導電子の混成効果が強くなっていることが明らかになった。一方、高圧下合成試料と常庄下合成単結晶で電気抵抗率の振る舞いが大きく異なるCeOs_4P_<12>について、31P-NMR測定を行い、エネルギーギャップの大きさはあまり変わらず、不純物による影響の違いであることを示唆した。 現在、R=Laを中心に他の希土類系RFe_4Sb_12における原子充填効果や、同一の母格子[Co_4Sb_<12>]に対するゲスト原子充填効果についても調べており、その結果などと比較しながら、カゴ状結晶へのゲスト原子充填効果とその微視的電子状態との関係およびその物性への影響について、引き続いて研究中である。
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