2011 Fiscal Year Annual Research Report
臨界点近傍の遍歴電子磁性体の磁化曲線に及ぼすゆらぎの効果
Project/Area Number |
21540341
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
高橋 慶紀 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 教授 (90143544)
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Keywords | 遍歴電子磁性 / スピンゆらぎ / 磁化曲線 |
Research Abstract |
遍歴磁性の磁気的性質で基本的な重要性をもつのは磁化曲線である。最近関心が高まりつつある量子臨界点近傍で発生するメタ磁性転移も、結局は磁化曲線の振る舞いと密接に関係する。しかしながら、スピンゆらぎの遍歴磁性に及ぼす効果について、その磁化曲線への影響についての重要性の一般的な認識は、依然として低いと言わざるを得ない。そこで、特に磁化曲線の重要性について解説した専門書「遍歴磁性とスピンゆらぎ」の出版を京大の吉村氏と企画し、当該年度の最後に実現できた。前年度までの研究実績の一部もこの書籍の中で紹介されている。遍歴磁性体が量子臨界近傍に近づいたとき、その磁気的性質の温度変化や磁場効果に関し、どのようなクロスオーバー現象が発生するかについても申請者自身のスピンゆらぎ理論の立場から明らかにする研究を行った。磁化率の温度変化と磁化曲線にふるまいについて、よく知られた古典的な臨界現象特有の結果が、臨界温度がゼロになる極限で変化する様子を明らかにすることができた。 興味深いことは、ある性質が単に別の性質に移り変わることではないことがわかった。むしろ両方の性質が同時に存在し、例えば、熱ゆらぎの寄与の消滅が、より高温相に現れる量子ゆらぎの影響がおよぶ領域を低温域に拡大することにつながっている。この結果は申請者が世話人のひとりとなって平成23年12月17日に姫路で開催した研究会で発表し、また平成24年の春の物理学会においても報告した。従来は、クロスオーバーのふるまいについての関心は比較的低かったように思える。上記の結果はこの点からも、現象の理解に役立つことが今後期待される。
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Research Products
(6 results)