2011 Fiscal Year Annual Research Report
CeおよびYb化合物の強相関電子帯構造の第一原理計算
Project/Area Number |
21540372
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
柳町 治 (酒井 治) 独立行政法人物質・材料研究機構, 量子ビームユニット, NIMS特別研究員 (60005957)
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Keywords | 物性理論 / 磁性 / 強相関 |
Research Abstract |
研究目的:高濃度近藤状態や価数揺動状態など、強相関電子としての性質を示すCeやYbの化合物の4f電子系にたいし動的平均場近似理論(DMFT)に基礎をおいた第一原理バンド計算のコード開発を行うこと、また、AuCu3型結晶構造をもつ物質群へのその適用を行うことを目的とした。4f電子系にたいする定量計算において必須である結晶場効果、スピン軌道相互作用、価数揺動に伴う正しい交換相互作用効果を取り入れる近藤効果の解法の理論的枠組みとして、申請者等が以前に発展させたnon-crossing approximation with f2 vertex correction(NCAf2vc)法を拡充する。 本年度計画と結果:稼働中のNCAf2vc+LMTOコードのプログラムをversion1として、(1)計算の効率化とYb系への適用を念頭にプログラミングの改修を進めversion2の開発を行う。(2)version1によりCePd3,CeRh3,CeSn3,CeIn3への適用を進め、動的磁気励起、Fermi面形状などにつき実験との比較を行うこと、の二つを主な計画とした。 (1)についてNCAf2vcのCe用部分の改修は進んだが、Yb系へ適用可能にする部分は作業中である。(2)について計算結果を公刊した。CePd3、CeRh3、CeSn3のフェルミ面構造はLDA計算によるものと類似なものが得られた。近藤温度の低いCeIn3についてはDMFTはLDAと異なるFermi面を導き、dHvH効果の実験はDMFTの結果に合致することが示された。サイクロトロン質量についてDMFT計算は正しい大きさの程度を与えた。本課題をきっかけに米アルゴンヌ研のJ.M.Lawrence氏よりCePd3の波数依存磁気励起につき計算の要請があり、原研計算機センターの鈴木道人氏と共同研究を開始した。
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Research Products
(5 results)