2009 Fiscal Year Annual Research Report
アクチノイド化合物における大きな磁気抵抗効果の研究
Project/Area Number |
21540373
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
山本 悦嗣 Japan Atomic Energy Agency, 先端基礎研究センター, 研究員 (50343934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 達磨 独立行政法人 日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 研究員 (30370472)
立岩 尚之 独立行政法人 日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 研究員 (50346821)
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Keywords | 強相関電子系 / アクチノイド / 巨大磁気抵抗 |
Research Abstract |
ウランカルコゲナイドは共有結合性が強く、f電子は局在的な振る舞いを示すと考えられる。斜方晶のジカルコゲナイドUSX(X,=S,Se,Te)では原子番号が大きくなるにしたがい、半導体から金属まで伝導度が変化し、これに伴い磁性も常磁性から強磁性に変化する。このなかでβ-US_2は低温において狭いギャップを持つ半導体であるが、そのギャップは磁場や圧力などに非常に敏感であり、7T程度の磁場や8GPa程度の圧力で6桁以上も電気抵抗が減少し、金属的な振る舞いを示すことを明らかにした。大きな磁気抵抗効果は容易軸方向[001]に磁場をかけたときのみ顕著に観測され、困難軸[100]方向ではほとんどみられず、異方性が大きい。 低温における磁気抵抗効果について詳細な実験の結果、この磁気抵抗効果は低温でのバンドギャップが、磁場によりつぶされることによると考えられる。また2GPaで圧力秩序相が誘起されるが、この起源を探るため高圧下の磁化測定を行った。β-US_2の結晶場基底状態は一重項状態であり、第一励起状態は100Kの位置にある。常圧では磁化は降温で飽和し、一重項基底状態に対応する振る舞いをするが、加圧により磁化の値は増大することを明らかにした。これは磁気交換相互作用の増大によるものと考えられ、誘起磁気転移が起こる可能性が示唆される。
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Research Products
(2 results)