2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540376
|
Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
柳田 達雄 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (80242262)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 裕也 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (40344048)
|
Keywords | 結合振動子 / ネットワーク / 同期現象 / マルコフ連鎖モンテカルロ法 / 複雑系 / 非線形システム |
Research Abstract |
自然界には力学的要素が非一様に相互作用しているシステムが多く存在する.例えば,細胞内における生化学反応や代謝反応では多数の機能分子が関与しており複雑な応答特性を持っている.これらは,環境変化やノイズに対して安定に機能するよう進化してきたと考えられる.本研究は,機能的安定性をもつ相互作用網(ネットワーク)の設計原理とそれらネットワークがもつ普遍的構造の解明を目的とし,本年度は以下の課題を遂行した. 同期特性の優れた位相振動子ネットワークのデザインを中心に研究を行った.このモデルは力学的要素がネットワーク的に相互作用した集団(個体群)と見なせるため,細胞内での生化学反応や代謝反応などの複雑なシステムの最も抽象化したモデルと考えられる.前年度に引き続きマルコフ連鎖モンテカルロ法により同期特性の優れた機能的ネットワークが具体的に設計し,ネットワーク構造の統計的特徴付けを行った.本年度は同一な自然振動子集団が外部ノイズに晒されている場合に,ノイズにたいして堅牢に同期するネットワークを設計した.これにより,異なる自然振動数を持つ場合とは異なるネットワーク構造が同期最適である事が分かった.特にリンク数が少ない場合にはコアと周辺の振動子に分離した構造がノイズに耐性を持ち,各素子に共通なノイズによるに同期現象と強い関連があると予想され理論的発展が期待される,これらの成果は口頭発表し,最新の結果は現在Physical Review E誌に投稿中である.
|
Research Products
(7 results)