2009 Fiscal Year Annual Research Report
フラストレートしたジョセフソン接合配列におけるジャミング-ガラス転移
Project/Area Number |
21540386
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉野 元 Osaka University, 大学院・理学研究科, 助教 (50335337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
能川 知昭 東京大学, 工学研究科, PD (00399982)
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Keywords | ジョセフソン接合配列 / ガラス転移 / ジャミング転移 |
Research Abstract |
磁場中ジョセフソン接合配列におけるジャミング-ガラス転移について、(1)計算機シミュレーションによる非線形IV特性(レオロジー特性)の数値解析、(2)異方性の強い極限からの摂動計算による基底状態、低励起状態についての解析計算を行った。いずれも、垂直磁場下におかれた正方格子状のジョセフソン接合配列について、位相自由度に注目した理論模型を用いた。 プラケットあたりの磁束量子の数密度fが非有理数の場合、単純な磁束格子が組めなくなり、ある種のガラス状態が実現する可能性が以前から指摘されていた。我々の着眼点は、Frenkel-Kontorova模型や、松川-福山模型との関連に着目し、縦、横方向のジョセフソン接合を異方的にし、その強度を制御パラメータとしてあらわに考える事にある。 数値シミュレーション、解析計算の結果、磁束はある種のランダムネスをもったストライプ構造を自発的に形成することが明らかになった。ストライプは、弱結合方向に伸びているが、「うねり」を持っている。このうねったストライプが、形を変えずに、強結合方向にそのまま積み上げられている。この系に外部電流をかけると、強結合方向に平行な外部電流に対しては、磁束が動かず(ジャミング)巨視的な超伝導状態が保たれる。反対に、弱結合方向に平行な電流に対して磁束は絶対零度でも滑らかに動き(スライディング)散逸が生じる(常伝導)ことが明らかになった。
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Research Products
(8 results)