2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540387
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
藤村 薫 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (70294337)
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Keywords | 流体物理 / パターン形成 / 定常モード間共鳴 / 弱非線形理論 |
Research Abstract |
本研究計画の目的は,水平面内に一様等方な熱対流系などで,1:2の波数比をもつ定常モード間共鳴相互作用が生じる際に,どのような対流パターンが形成されるのかについて理論的に予測することにある.とりわけ,波数平面に描かれた正六角形格子上で発現する時空間パターンを,弱非線形解析並びに高次元力学系の数値解析により明らかにすすることが目的である. 最終年度である平成23年度は,以下の解析を重点的に行った. 1)2層からなる熱対流系の支配方程式(非線形偏微分方程式)から中心多様体低減によって導出される6次元複素空間における振幅方程式を対象に,分岐構造の詳細を求めるための解析を前年度から継続実施してきたが,分岐解析における複素振幅(従属変数)の取り扱いが当初の方法ではうまくいかないことが明らかになったため,新しい従属変数を導入して解析を全面的に実行しなおした.その結果,複素4次元の不変部分空間における分岐解の構造を詳細に得ることができた. 2)上記振幅方程式に関して,密度が温度の弱い2次関数であるとし,その2次の項の寄与を開折パラメターとして振幅方程式の数値積分を組織的に実行した.その結果,開折パラメターの増加に伴って,2次元ヘテロクリニック軌道,4次元ヘテロクリニックサイクル,6次元周期解,6次元カオス解,3次元定常解(正六角形),3次元カオス解という推移をたどることが明らかになった.3次元不変部分空間におけるカオス解は従来知られていないものである. 3)これまでに得られた成果をまとめ,富山市で開かれた日本物理学会とボルティモア市において開催されたアメリカ物理学会流体力学分科会(APS/DFD meeting)において発表した.
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