2012 Fiscal Year Annual Research Report
動的障壁と量子局在:混合位相空間をもつハミルトン系における動力学理論
Project/Area Number |
21540394
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
首藤 啓 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (60206258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 篤司 首都大学東京, 理工学研究科, 助教 (20323264)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 量子カオス / カオス的トンネル効果 / 混合位相空間 / 複素半古典論 / ストークス現象 / ハミルトン系 / 自然境界 / 完全WKB解析 |
Research Abstract |
1. 動的トンネル効果における不変トーラスの自然境界の役割 混合位相空間中の不変KAMトーラスは実面上において解析性をもち,その上の軌道は一定無理数回転と共役な規則運動を行う.一方,不変KAMトーラスは複素領域において一般にその解析性は破れいわゆる「自然境界」が出現する.これまで,複素領域内の自然境界が物理的に観測可能なものであるか否かについて賛否両論が交わされてきたが,我々は混合位相空間中の動的トンネル効果において,トンネル確率の異常増大という形で自然境界が顕在化し現実に観測可能な対象であることをはじめて示した. 2. 複素ポテンシャルを用いた量子開放系の解析 非線形共鳴の発生は系の非可積分性と密接に関連する.近年注目されている「非線形共鳴によって促進されたトンネル効果」においては,エネルギー分裂などトンネル効果を特徴づける量に1次元トンネル効果には見られない「構造」が観測される.我々は,その構造が純粋に非線形共鳴だけが原因なのではなく,混合位相空間中のカオスをもその発生に関与しているとの予想を立て,位相空間に局在する吸収ポテンシャルを用いてその作業仮説の妥当性を検討した. 3. 3準位非断熱遷移問題に対する完全WKB解析の数値的検証 多準位の非断熱遷移の問題を完全WKB解析の観点から考察した.特に,多準位系になってはじめて現れる「新しいストークス線」が本質的役割を果たすことのない最も単純な状況における完全WKB解析の表式の数値的な検証を行った.WKB近似の適用が期待される断熱極限のみならず,その反対の極限である等熱極限,あるいは,従来の多準位非断熱遷移の取り扱いでは対応することのできなかった,初期状態のすべての状態に確率が与えられている場合など,極めて広い範囲で完全WKB解析によって得られた表式が良い近似を与えることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(19 results)