2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540400
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
水島 二郎 Doshisha University, 理工学部, 教授 (70102027)
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Keywords | 円柱を過ぎる流れ / 急拡大管流れ / 流れの安定性 / 振動源 / パターンの発現 / 解の分岐 / 乱流への遷移 / ホップ分岐 |
Research Abstract |
本研究の研究課題は定常流が不安定となって振動流へと遷移する物理機構、特に振動源とパターン発現の物理機構を明らかにし、その条件を求めることである。平成21年度では主に、角柱を過ぎる流れにおいてカルマン渦列が生じる物理的機構を見つけるため、物体直後にパルス型の撹乱を与え、下流へ伝播する波束型撹乱を観察した。これにより、この流れが対流不安定から絶対不安定へと遷移するときの条件と全体不安定性の関係を明らかにした。この研究については、2009年10月19日から21日に開催された京都大学数理解析研究所共同利用研究集会「非線形波動現象の数理と応用」において発表し、同研究所講究録にまとめた。その後、円柱を過ぎる流れについて同様の計算を行い、流れが対流不安定から絶対不安定に遷移する条件は波束のテイルの群速度が0となることであることを見いだした。この発見については現在論文を執筆中である。別の例として、いくつかの急拡大部をもつ管路流れについて、数値シミュレーションと線形安定性解析を行い、流れが対流不安定から絶対不安定に移行する機構とその条件を調べた。特に、申請者たちが昨年度に発見した早く伝わる波と遅い波の双方について数値シミュレーションの結果を精査し、その成長率と伝播速度を評価し、この管路流れの全体不安定性解析の結果と比較した。その結果、この流れにおいても、流れが対流不安定から絶対不安定に遷移する条件は、波束の尾部(テイル)の群速度が0であることがわかった。また、周期的急拡大管において下流の急拡大部における流れほど振動流へ遷移しやすい現象の物理的な理由は上流における対流不安定撹乱の影響であることを明らかにした。この研究については、2010年1月13日から15日に開催された京都大学数理解析研究所共同利用研究集会「乱流の動力学的記述と統計力学的記述の相補性」において発表し、同研究所講究録として出版予定である。
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Research Products
(7 results)