2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540400
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
水島 二郎 同志社大学, 理工学部, 教授 (70102027)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 流れの不安定性 / パターンの発現 / 解の分岐 / 円柱を過ぎる流れ / 急拡大管流れ / 2重拡散対流 / 乱流への遷移 / ホップ分岐 |
Research Abstract |
本研究の研究課題は定常流が不安定となり振動流へと遷移する物理機構、特に振動源とパターン発現の物理機構を明らかにし、その条件および流れのパターンを求めることである。平成21年度~平成23年度では主に、円柱を過ぎる流れにおいてカルマン渦列が生じる物理的機構を明らかにした。すなわち、物体直後に与えたパルス型撹乱の下流への伝播を観察し、これまでの対流・絶対不安定性の概念を拡張し、パッシブモード不安定性とアクティブモード不安定性の概念を提案することにより、流れの全体不安定性とアクティブモード不安定性の関係を明らかにし、カルマン渦列発生の物理機構を解明した。この研究成果を論文として Physical Review E に公表した。平成23年度には、柱状物体後流中に発生するカルマン渦列の消滅と再生成の機構について調べ、渦列の消滅は流れの不安定性がもつ固有の性質であることと、第2渦列の生成は第1渦列が消滅してできる剪断流の不安定性によることを明らかにした。この成果を論文にまとめ、Physical Review E に投稿した。平成24年度は主に、矩形断面をもつ長い容器中に満たされたエタノールと水の混合溶液中における2重拡散対流の発生とその遷移について、線形安定性理論および数値シミュレーション・分岐解析等により詳しく調べた。その結果、2重拡散対流が発生する物理機構として、流体に働く力が単位時間に流体に与えるエネルギーの時間平均が正となることにより2重拡散対流が発生し、その対流運動は振動流であることを明らかにした。また、線形不安定性によって生じる2重拡散対流は初期には振動流であるにもかかわらず、時間が経過すると定常流へと遷移することがわかた。その定常流の解の構造を求めた。これらの研究成果を論文にまとめ、Journal of the Physical Society of Japanに投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画した通りに研究を実行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究はほぼ計画通りに実施している。円柱を過ぎる流れ場におけるカルマン渦列の発生に関わる物理機構とその消滅および再生成については一応の成果を得たが、さらにその結果を分かりやすく表現するモデルを考案中である。2重拡散対流中におけるリズムの発生とパターン生成の機構については、アスペクト比が小さい容器中の2重拡散対流についてはほぼ解明できたが、今後少しずつアスペクト比を大きくすることにより、流れ場中におけるリズムの生成機構をさらに明らかにする予定である。急拡大部をもつ管路流れについては、数値解析における計算方法を改善し、計算精度を高める必要があるので、現在その方法について模索している。
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Research Products
(6 results)