2010 Fiscal Year Annual Research Report
アダプティブ結合を持つ能動要素ネットワークの自己組織化-デザインと制御
Project/Area Number |
21540403
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
宮川 賢治 福岡大学, 理学部, 教授 (30037296)
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Keywords | 自己組織化 / 確率共鳴 / BZ反応 / 非平衡 |
Research Abstract |
約400μm径のマクロゲルに、自己触媒反応の光感受性触媒ルテニウム錯体を組み込み、動的要素を作成した。これをベースに間隔140μmの10×10格子アレイを作製し、各要素に光学的な方法で系の反応情報をフィードバックすることで、要素の状態に応じて結合を変え得るアダプティブ結合ネットワークを実現した。アダプティブ機構の組込みには、要素間の振動の位相差が或る閾値以下の要素対では結合を強め、閾値を超える要素対では結合を弱めるようなアルゴリズムをデザインした。フィードバックループを通じて各要素に照射される光強度I_i(t)は、I_i(t)=I_0+(1/N)ΣK_<ij>(H(B_j)-H(B_i))とした。ここで.I_0、N、K_<ij>、B_jはそれぞれ、バックグラウンド光強度、振動子数(N=100)、結合強度、振動子jの光強度であり、H(B_j)は階段関数である。アダプティブ機構として、結合強度K_<ij>には1次までのフーリェ成分を考慮して、dK_<ij>/dt=-αcos2β(φ_i-φ_j)-K_<ij>のような時間変化を導入した。ここで、φ_Iは振動子jの位相、α、βは可変制御パラメータである。α=1400、β=0.5のとき、ネットワークは時間と共に逆位相で振動する2つのクラスターに分裂していくことが見いだされた。また、α=1400、β=1のとき、ネットワークは時間と2π/3の位相差で振動する3つのクラスターに分裂することを見いだした。一方、結合強度を常に一定に保つ場合には、クラスタリング現象は観測されなかった。このように、結合の変化規則によって、ネットワークの制御が可能であることが分かった。
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