2011 Fiscal Year Annual Research Report
アダプティブ結合を持つ能動要素ネットワークの自己組織化-デザインと制御
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21540403
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
宮川 賢治 福岡大学, 理学部, 教授 (30037296)
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Keywords | 自己組織化 / ネットワーク / アダプティブ結合 / 非平衡 |
Research Abstract |
ベルーゾフ・ジャボチンスキー反応を基本にした活性素子100個からなるアレイを構築し、フィードバックを介して素子間をアダプティブに結合したネットワークを構築した。これまでの研究で、このようなネットワークは、素子間の位相差に応じて2クラスターや3クラスター状態に分裂することを見出した。今年度は、このクラスタリング現象の特性を詳細に調べた。先ず、複素オーダーパラメータZを用いて集団のクラスター同期の時間発展を調べ、或る時間経過後に平衡値に達することを明らかにした。またネットワーク構造を定量的に特徴づけるために、クラスタリング係数Cの時間発展を求め、Zの時間発展と類似の変化をすることを見出した。結合強度αが適度の大きさの時、Cは最大になり、同じα値でZも最大になることが分かった。更に、全要素対間の平均距離を求め、ZやCが最大の構造はスモールワールド性を持つことを見出した。実験と同じアダプティブ結合アルゴリズムを用いて、クラスタリング現象についてオレゴネータを基本にした数値シミュレーション行った。その結果、ZやCの時間発展を含め、観測結果を良く再現することができた。 次に、ホップ分岐の閾値を僅かに超えた強度の光を参照光として照射して、興奮性ネットワークを構築した。ノイズを参照光に重畳し、アダプティブ結合の下でのノイズによって誘起される秩序化現象を調べた。外部ノイズによって誘起される振動のコヒーレンス度Rを用いて、Rを最大にするノイズが存在すること(コヒーレンス共鳴)、アダプティブ結合のアルゴリズムによってRの最大値は異なることを見出した。クラスタリングを引き起こすアルゴリズムとRを最大にするアルゴリズムの関係を検討中である。
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Research Products
(6 results)