2010 Fiscal Year Annual Research Report
安定的レーザーチャネル下での光パラメトリック過程で生じる光パルスのダイナミックス
Project/Area Number |
21540414
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
森 道昭 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (10323271)
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Keywords | fsレーザー / 量子ビーム / T^3レーザー / プラズマ / 光パラメトリック |
Research Abstract |
本年度は、前年度に得られた3テラワット級レーザーとしては世界最高の60MeV近いピークエネルギーを持つ準単色構造の電子ビーム発生の実験結果を踏まえ更なるパラメーターサーチと、計測装置(SPIDER)の整備・立ち上げを中心に研究・開発を進めた。具体的に前者においては前年の研究で旧来アルゴンガスターゲットで約10MeV程度だった電子線のエネルギーのピークを窒素ガスターゲットに置き換えることで60MeV近いエネルギーまで向上させることが出来たため、光パラメトリック過程を通じた変調後の光パルスの性質も同様に大きく性質が変化すると考え、ピークエネルギーのガス密度依存性を通じてそのメカニズムの解明を行った。その結果、相対論的自己収束によってエンハンスされた電離によってプラズマ密度が局所的に増加する割合がガス種に依存し、それによりピークエネルギーが変化する事が分かった(この成果は国際会議IPAC'10において発表した)。このことは、ガス種によって得られる変調光パルスも変化する事を示すものである。また、この研究の過程で、電子ビームがSub-MeVから数十MeVまで加速された電子ビームのイメージを世界で初めて観測に成功している(この成果についてはプラズマ・核融合学会および日本物理学会において発表している)。最終年の平成23年度では、現在までのパラメーター探索で得られている最適なパラメーターを中心に光位相・波面などの細かな計測を行い、本研究の柱であるプラズマによって変調を受ける光パルスの安定性を含む性質について明らかにする予定である。
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